31 JUL 2025
Letters from Italy Vol.33
「Letters from Italy」ではみなさまに少しでも旅気分を味わっていただくべく、ミラノやフィレンツェの誰もが知る観光スポットから、最新情報やとっておきのスポットをジャンニ キアリーニのイタリア現地スタッフよりお届けいたします。
シネマ・ビアンキーニ・セグレト ~映画の上映前から始まる体験~
想像してみてください。もしもあなたが映画を見に行くとき、それがどこで上映されるかを知らされていなかったら…。
ミラノ中心部のどこか隠れた秘密の場所には、シネコンもなければ、プラスチックのポップコーン容器もなく、複数の点滅式のスクリーンもありません。そこにはあなたと好奇心旺盛な観客たちのみが集まります。
これがシネマ・ビアンキーニ・セグレトです。
このユニークな夏のスタイルは、ミラノの街を特別で、思いがけない野外映画館へと変貌させます。
それはどのような仕組みなのでしょうか?
それはシンプルにも関わらず、魅力に満ち、すべてがミステリーです。
ゲストはオンラインでチケットを購入します。それには、会場の記載はなく、待ち合わせ場所のみが指定されます。
そこは、しばしミラノのどこか中心部で、馴染みのある場所でありながら、好奇心を刺激する曖昧な場所です。
ゲストは、上映の数日前にメールで集合場所を知らされます。その場所は毎回異なり、直前まで秘密にされます。
歴史的な中庭、夕暮れ時のルーフトップ、街の中央に位置する隠れた庭園という時もありました。時には、工業地帯が映画のようなムーディーな空間に変貌することもあります。
毎晩異なる会場、それがスリルの一部なのです。
シネマ・ビアンキーニ・セグレトは、多くのイベントやエンターテインメントがひしめくこの街で、たったひとつのシンプルな方法で際立った存在感を示しています。それは、人々に再び好奇心を抱かせることです。
それは単に映画を見るだけではありません。
街を再発見し、ゆっくりとした時間を過ごし、見知らぬ少人数のグループと特別な時間を共有することです。
近年、その予約は殺到しています。その理由は、一度参加すればすぐにわかるでしょう。
最も目立つもの、それは細部にあります。
クリアな音質のワイヤレス・ヘッドフォン、温かく居心地の良い雰囲気、そして夜には、地元ワインの試飲や職人技が光る軽食で、会場でのひと時にさらなる魔法をかけます。
アートが街と出会うとき、フィレンツェのストリートは生きたギャラリーへと変貌します
フィレンツェはルネサンスの傑作、ドゥオーモ、そして歴史的な美しさで知られています。しかしながら、今やイタリアで最も活気のあるストリート・アート・プロジェクトの本拠地でもあります。
パラッツオーロ・ストラーダ・アペルタへようこそ。
この都市型アートフェスティバルは、単に壁をペイントするだけでなく、色彩、創造性、コミュニティを通じて近隣を変貌させることを目的としています。
7月27日まで開催されたこのプロジェクトは、サン・パオリーノ地区を野外ギャラリーに変え、地元商店のシャッターがキャンバスとなり、それぞれのアート作品が作り手の心と魂を覗く窓を開きました。
閉ざされたシャッターが物語になる場所
A Testa Alta E.T.S.とStreet Levels Galleryが主催するこのフェスティバルには、Zed1、Corn79、Hogreのような有名アーティストから、フィレンツェのビジュアル言語を塗り替えるフレッシュなスタイルを持つ新鋭まで、19人のアーバン・アーティストが集結しました。
彼らの作品は、単に飾られるだけでなく人々に語りかけます。
個人的なストーリー、社会問題、夢、そして近隣の日常的な苦悩が反映されています。これまで見過ごされていた一角が、今では見られることを要求されています。
このプログラムには、作品に込められた意味や近隣のアイデンティティを探るガイドツアー、スタイリッシュな『25時間ホテル』でアーティストと出会えるイベントやアートにインスパイアされたアペリティフなどが含まれます。
これらは、フィレンツェの生々しく、予期せぬ、生き生きとした姿に触れながら、考え、体験するひとときを過ごすことができます。
次回の「Letters from Italy」もお楽しみに。
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